この季節、外を歩いていると赤い木の実が目に入ってきます。いくつかの種類があるのですが、この鮮やかな赤い実はサンザシです。
村へ行く道すがら、山歩きの道端、家の敷地の端っこの藪‥‥ いたるところに生えている木なのです。
どうして、そんなにたくさんあるのでしょうか。
妖精の住処
サンザシの木(hawthorn tree)は、アイルランドの「妖精の木」。
妖精の邪魔をするといけないので、自分の土地にこの木が生えていても引っこ抜いたり伐り倒したりせずに、周りを耕すようにします。
切ってはいけない木 というわけです。
丸い藪 フェアリーリング
「どこそこの #$さんのオジさんの友だちが、切っちゃいけないよっていうのに切り倒してしまったら、次の日にトラクターがひっくりかえって死んじゃったんだって。やっぱり、ねー」
… というような話が、地元の友だちのあいだにも伝わっていたりします。
昔のひとが信じていた というだけでなくて、今もまだ生きている 言い伝えということができそうです。。。
そのため、ほうぼうの牧草地の真ん中に、手付かずで残っている丸い藪
フェアリーリング
があります。
日本だったら、残さず全部田んぼや畑にしてしまいそうですけどね!
プルーストの小説にも出てくる花
少し曲がりくねるように伸びて藪のようなこの木、春になるとかわいい白い花がいっぱい咲きます。
道沿いの灌木がどこも白い花でいっぱい。とても美しい季節の眺めです。
これは、首都ダブリンから1時間ほど南にある、ウィックロー県のグレンダロッホの「下の湖」Lower Lakeのそばにある、古いサンザシの木です。
いつもウォーキングでそばを通ります。
春にたくさん花をつけると、見事な姿です。
フランスの有名な小説家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』で主人公が子ども時代を回想する場面にも、この花が登場します。
よく見ると、枝にトゲがあって触ったら痛そうです。
いつも通りがかりに横目で見ています。
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