アイルランドのことば

 ダム湖のまわりのコースを早歩きで10km。朝の空気は澄んでいて気持ちが良いです。

土地の女のひとたち

 いつも同じ友だちグループです。今日は少し特別。4ヶ月になった孫ちゃんがウォーキングデビューなので(バギーに乗ってて運ばれていたただけですが)記念撮影。ウォーキングのあとは村のカフェでいつものようにお茶をしながら、皆で代わり番こに抱っこさせてもらって、ほっこりしました。

 友だちグループは、週に一度か二度は必ず一緒に歩いています。もう15年ぐらいも続けているそうです。
 皆、同年代のおばちゃんたち。オーストリアからアイルランドへ引っ越してきてすぐに仲間に入れてもらいました。一緒に歩き始めて、もう7年目です。すっかり仲良しで、ほとんど家族のようです。

 元々は、子どもたちを小学校へ送り込んで、そのまま歩きに行ったのが始まりだそうです。
 その子どもたちも今では20代後半〜30代前半。アイルランドで就職したり、カナダやオーストラリア、ベルギーやイギリスへ働きに行ったりしている人もいます。子どもが生まれたり結婚したりする年頃です。
 連れ合いの健康状態や老親の介護、子どもの就職や将来のことなど、共通の心配ごとも話題にのぼります。

耳学問

鳥たちに食べられた、名残の木の実。

 さて、いつも歩きながらのおしゃべり大会を耳にしているうちに、少しずつ、アイルランドの人たちの気にしているニュースや、土地の人たちの習慣や、昔からの言い伝えや、ことばづかいがわかるようになってきました。

 みんなのことばは英語ですが、アイルランドらしいアクセント。夢中でしゃべっていると、すごいスピードです。
 あまり早口でついていかれないときは、sachanはもう諦めてしまって、耳が閉じて「スイッチオフ」です…。そう四六時中、神経を集中していたら、くたびれてしまいますからね(笑)。
 もう長いつきあいなので、そういうときは「あ、sachanはスイッチオフモードなんだな〜」とわかってくれるから、楽チンです(笑)。(つまり、そっと、放っておいてもらえるから、ひたすら歩いているというわけ)

 でも、もちろん、時々は生き返ったように注意力が復活!
 「さっき言ってた$#%って、何のこと?」
 と質問して、教えてもらいます。

 そんな繰り返しで、けっこう耳学問しているというわけです。

  よく使うことばの中には、例えば… 
泥でぐちょぐちょ マッキー mucky 
(発音はモッキーとマッキーの間ぐらい。少しムッキーのように聞こえます。)
身を切るように寒い ニッピー nippy  
(コールド cold と言うと普通すぎて、あまり寒く感じません)

 たまにはゲール語のことばも混じります。
ゲール語はアイルランドの土着のことばで、今でも公用語とされていて、道路の表示とかも、英語とゲール語と両方があります。
 いちばんはじめに覚えたのは…

箸にも棒にもかからない大バカ者 ゴブシャイト Gobshite 
 ゴブシャイト とラベルをつけられたら、もう絶対に立ち直れないほどの酷い愚か者のことを言います。

それから、家にある小さな物置(窓のついていない、戸棚みたいに暗い物置ね)は 
 クビホール 
というのです。ちょっと可愛いことばです。

乾杯! のときは スロンチャ! と言います。

森林浴をしながら、耳学問!

神様が大活躍!

 さて今日も新しい使い方を覚えました。実は連絡用のメッセンジャーでやりとりしている中にTGとPGというのが出てきて、わからなかったのです。
 TGって何? PGは? と質問して教えてもらいました。

TGは Thanks God!  サンクス、ゴッド。神様ありがとう 
 = ああーよかった
PGは Please God!  プリーズ、ゴッド。神様お願い 
 =…になりますように!

 神様 大活躍!!

 そういえばOMG Oh My God!  オーマイ ゴッド!
 = ありゃまあーー!
 もよく使われますが、こちらはちょっとアメリカっぽい感じなので、若いひとが使うみたいです。
Thanks God! やPlease God! は、いつも聞いていたので意味は知っていましたが、TGとかPGと書かれているところを見たのは初めてでした。

活動写真!

 それに 「木曜はpictures ピクチャーズ に行こう」と相談してた友だちがいました。
 なになに、どこへ行くの、写真展?
 「いえいえ film 映画のことよ
ですって。
そして、このfilmは フィレム と発音するのがアイルランド。
自分たちでも
「ピクチャーズだって!ちょっと古めかしいことばだよね!」
と笑っちゃっていましたが。

ふむ。活動写真だったか。。。。

ちゃんと教えてくれる優しさ

森のなかに、にこにこマークが!

 「地元の出身でない」ことを、blown in 風に吹かれてやってきた と言います。同じアイルランドでも西のほうから、ここウィックローへ来て住み着いた人が「自分はblown inだから」と言います。

 これ以上ないほど遠い外国である日本から、「風に吹かれ、吹かれて」引っ越してきたのに、長年のつきあいのように、こだわりなく受け入れてくれた友だちのつながり。

 とても優しい、アイルランドのおばちゃん仲間です。

良い子のわんわん。

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