村の子どもたちの提灯祭り

 11月11日は、ヨーロッパでは 第一次世界大戦の終戦記念日です。
フランスでは、第一次世界大戦でたくさんの人が亡くなったので、どこへ行っても兵士として亡くなった人たちの名前を刻んだ慰霊塔があり、11月11日は今でも追悼行事をするところが多いです。
 ちょうど日本で原爆の日に広島や長崎で追悼行事をするのと同じです。

 でも、11月11日 オーストリアやドイツでは聖マルティヌスのお祭りの日でもあるのです。
 「幼稚園の子どもたちが教会で学芸会みたいなのをやるから見にいかない?」と友だちのカトリンが誘ってくれました。

わーい!楽しそう! 幼稚園の子どもたちにも会える!
… というわけで、カトリンに連れて行ってもらいました。

 教会はいつもそばを通って散歩してるけど、中へ入るのは初めてです。
 なかなか立派な広い教会が、時間になるとお父さんお母さんや、じいじ、ばあばたち、小学生の兄ちゃんや姉ちゃんたち、まだ幼稚園に行ってない赤ちゃんたち・・・みんな(教会は寒いので)着膨れ状態で(親はカメラを持って)いっぱい集まってきました。

 そのうち幼稚園(教会のすぐそばにあります)の子どもたちが先生たちに連れられて、提灯行列で登場。

この提灯は子どもたちが何週間も前から手作りで準備していたもの。

 「貧しい人に自分の着ていた着物をあげた マルティヌスさん 実はその貧しい人はキリスト様が姿をかえて来られたのでした」
というお話の劇と歌を見せてくれました。
場所は教会で、少しだけ神父さんのお話とお祈りもあったけど、幼稚園の「ミニ学芸会」みたいなもの。
 もちろん全部ドイツ語だけど、雰囲気はわかりました。

 そういえば、sachanの息子も小学校の学芸会で お猿の役をやったことがあったっけ!sachan母さんはお尻のところに安全ピンでつける「しっぽ」を準備したんだっけなあ。所かわれば話もかわる・・

 でも、自分が着ていた暖かいマントを、寒そうな人に分けてあげたマルティヌスさん の話は、笠地蔵の話に似ていますね!

「学芸会」終わって、子どもたちがそれぞれ自分の提灯を受け取って、お母さんと手をつないで外へ。

 もう外は真っ暗。教会の隣の司祭館のお庭で 暖かいスパイシーなワイン(グルーワイン)をみんなで飲んでから、解散です。
 カトリンは東ドイツの出身です。
「ドイツでは大きな焚き火を囲んで、みんなで飲んだり食べたりするのよ 子どもの頃は焚き火が嬉しくて! 懐かしい….」
 と話していました。
聖マルティヌスのお話にちなんで、「みんなで分け合う」お祭りなのですね。

提灯は本物のろうそくが入って、すてきな暖かい光。

暗くてよく見えないけど、ぴかぴか光るベストを着ているのは消防士さん
にこにこ顔のお姉さんやお兄さんたちでした。photo by sachan.

 でも幼稚園児がみんな、ろうそくを持って歩いてるわけですからね。
教会の外には、でっかい消防車がちゃんと待機してました。
消防のお姉さんやお兄さんたち ちゃんと目を光らせていたみたいです。(でもグルーワインももらってたみたいだけど)
毎年来るんですか?」とたずねたら、
「そうですよ、仕事ですからねー」と にこにこ顔の消防のお姉さんたちでした。
 ジムくんはご機嫌で提灯を持って歌いながら、おうちへ帰りました。

提灯の光とグルーワインの甘い香り 真っ暗な夜。
寒い雨がしとしと降っていましたが、かわいい子どもたちのお祭り 心温まるひとときでした。

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